倫理の健忘病

 倫  理 の 喪 失

「過去を忘れさることは、現在をだますことになる。
  罪の事実をを告白せねば、罪の感染を広げることになるであろう」
                                    - Richard von Weizsacker, 1985

ある人は信じるだろう
ゲル二カとサラエボはそんなに破壊されなかった
そして
アウシュビッツやバタムで起きたことは嘘であると

ある人は信じるだろう
南京大虐殺はおおげさすぎる
そして
ベトナムで米軍はむごい行為をしなかったと

倫理の喪失は、平和への妨げ
過去の残虐な行いを認めなければ
暴力を止めることはできない
玲亜: 歴史を簡単に塗り替えたり、水で洗い流すことのできる壁だと考える人々がいます。
悟: いや、歴史を永久に消すことのできないものとして、考えている人もいるよ。
ミン: 私の意見では、永久に残ることができる人間なんてありえないのだし、遅かれ早かれ、すべてのものは、塵と化すのだから。
玲亜: 私たちはもっと過去に対し、注意を払わなくてはいけないと思うわ。
ティン: そう簡単にはできないことね。
玲亜: 本当に、まったく。権力はしばしば、過去の出来事を時の施政者の都合に合わせて「再整理」しすぎてきたわね。
ミン: 確かにその通りだ。歴史を生きたものにするためには、多くの声が必要だね。歴史は決してひとつの民族や文化だけで決められるべきではない。多数の声が生かされるべきだよ。
ティン: そうね。多くの人々が甲高い声でケンケン、ガクガクと論争するのも大変ね。私は、歴史が単一化や神話化が必要とされること自体、怪しいと思うわ。
玲亜: 誰のために。そして何の目的のために。歴史に対する深い反省がなければ、私たちはただのあやつり人形よ。