ティンの顔にかすかな緊張の線が浮かんだ。彼女は眉をひそめながら先ほどの詩を見つめ、それから顔を上げた。 「え? どうしてこの作者は、文明をまるで瓦礫のように語るの?ちょっと皮肉が過ぎるんじゃない?」
玲亜はただ静かに息を吸い、視線を部屋の向こう、目には見えない地平線へと漂わせた。 「結局は、物の見方の問題よ、ティン」と、彼女はつぶやいた。「十分に遠くまでズームアウトしてみれば、大聖堂も、回路も、夢も――すべて塵へと崩れていく。」少しの間を置いて、彼女は静かに続けた。 「だから、落胆する必要なんてない。これが人生の、美しくも苛烈なリズムなのよ。アルファはやがてオメガに口づけする。灰は別の姿へと変わり、粘土になる。私たちはいつだって、円環を一周して元の場所へ戻ってくる。宇宙は嘆き悲しむわけじゃない。ただ、形を変えていくのよ。」
部屋の反対側では、アンドレイが物思いに沈みながら座っていた。その手は、古いマホガニーの傷だらけのテーブルに、静かに置かれていた。 「それでも僕たちは、朽ち果てるものを超えて残る意味を渇望しているんじゃないか?」 彼は低く、落ち着いた声で口を挟んだ。 「僕たちは、エントロピーを生き延びるために物語を作り出す。混沌の中でよろめきながら進むとき、つかまっていられる一本の黄金の糸を、必死になって求めているんじゃないのか? だからこそ、人間は絶えず神話を紡ぎ出すんじゃないか。 僕たちは物語を語る動物だ。けれど、その物語をまったく語らないかもしれない宇宙の中に、僕たちは閉じ込められているんだ。」