注意: このテキストを正しく表示するには、UTF-8でエンコードする必要があります。 UTF-8 encoding is needed to display this text properly. 需要UTF-8編碼才能正確顯示此文。 Le codage UTF-8 est nécessaire pour afficher correctement ce texte. 이 텍스트를 올바르게 표시하려면 UTF-8 인코딩이 필요합니다. Para mostrar este texto correctamente se necesita la codificación UTF-8. 『ぬるい茶』~贅沢な惰眠の哀歌~ (一) 自己満足という枕に、 頭は闇の中へ沈んでいく。 闇の中へ落ちてゆく。臆病者の安らぎ 冷淡な安逸のゆりかご。 私はテレビゲームの電源を切る。 燃え盛る心で立ち向かう彼らは、 私とは、まるで違う。 ぬるい茶をひと口。 慰めにならぬ淡い後味が、 ひんやりと喉を滑り落ちる。 指先ひと弾きで、闇が部屋を呑み込み、 私は金色に霞む薄闇のなか、 ゆっくりと吐息を零す。 (二) ブルジョワジーの寝床の静寂を越え 他者の思念が糸のように通り抜けるのを感じる。 その広大さが私の小さな身を圧し潰し、 人類という織物の一瞬の微粒子となり、 幾十億の電脳の流れに結びつけられている。 終わりなき合唱が傍らでざわめき、 その笑いと、その嘆きを、私は聴く。 この潮流は膨らみ、時に穏やかに、 やがて鋭く、脈打ち、罪で尖り―― 争いと平和のあいだを脈動しながら、 警棒、銃剣、灼熱の弾丸が閃き、 一方でバレエ、酒宴、そして菩提の夢の光が並ぶ。 群衆の空虚な飢えを感じる―― 満たされぬ欲で唸る腹、 古来の争いが血腥い光景となって噴き出し、 浅い層に潜む偏見が煮えたぎる。 富の揺り籠に抱かれたこの凍てつく夜、 羽毛布団に包まれ、半ば眠りながら、 遠い悲鳴を打ち消そうと羊を数え、 我が魂は縮んだ余燼となり揺らめく。 長らく石のように冷え切った良心が ただ一つ、鋭い棘のような想いで目覚める。 私はただの蒸気にすぎないのか、 重さもなく、淡く、灰色に漂い、 この裂けた混沌の上をさまよう存在か。 それとも無関心を刻む大理石の碑となり、 押し潰す闇へと沈みゆくのか。 ただ重力という残酷にして誠実な力だけが 支配する場所へと。 ティン:   (詩を読み終えたあと、マホガニーのテーブルを軽く指で叩きながら、考えに耽る)この詩は好きだけど、        ちょっと曖昧じゃない?作者は一体何に対してそんなに憤っているの?文脈がなければ、これはただ美しく        苦しんでいるだけ——いわば芸術のための芸術ね。 ミン:    (硬い親指の腹でコーヒーカップの縁をなぞり、半笑いを浮かべて、答えは明白だと言わんばかりに)ああ、        怒るべきことなど、いくらでもあるさ。この時代の「地獄のビュッフェ」から好きなものを選べばいい。        例えば、イスラエルのパレスチナに対する残虐な軍事行動――じわじわと展開するジェノサイド。それから、        ウクライナで野蛮で違法な戦争を仕掛けているロシア。そして、テレビカメラの前でわめき散らし、        民主主義を少しずつ引き裂こうとしているトランプもいる。 アンドレイ: (苦々しく笑い、首を振りながら)この詩はあまりにも意気地なしだ!なぜ作者は枕に顔をうずめて溜息        をつくだけなんだ?問題を語るなら、なぜ行動しない?行動のない詩は、ただの「感情の観光」に過ぎない。        行進しろ。戦え。叫べ。何か建設的なことをしろ――居心地の良い洞穴で泣き言を言うな。 玲亜:    (低い、ほとんど悲しげなハミングで、視線は部屋のはるか遠くの一点にさまよっている)でも、それが        真実なのではないかしら?ほとんどの人間は哀れで、弱々しく、無力なの。勇敢な英雄の神話なんて        所詮ただの神話。旗を掲げる十字軍が一人現れるごとに、千人は静かな家に退き、スマホの画面をスク        ロールし、感覚を麻痺させ、ぬるいお茶の儀式で自分を慰める。(悲しげに間を置いて)たぶん最も正直        なのは、私たち自身が共犯者だと認めること。ローマが燃える中、私たちはお茶をすすっているのだから。 和訳: 本腰とYumiYumaYume ===================================================================================== 新田博氏の『言葉の新田:一つの文学饗宴』から 要約: 個人の快適性の追求と、世界の残酷さに直面した際の道徳的責任との葛藤についての考察。 キーワード: 無関心、自己満足、冷淡さ、道徳的責任、良知、臆病、英雄主義の神話 作者: 新田博 [T Newfields/ 黄月武](昭和30年生まれ) 開始: 1999年 ハワイのマウイ島 ♪ 完成︰ 2024年 静岡市 クリエイティブ・コモンズ・トリビューション・ライセンス {{CC-BY-2.1}} ナビゲーション < 前 https://www.tnewfields.info/jp/nowarai.htm 目次 https://www.tnewfields.info/jp/index.html 次 > https://www.tnewfields.info/jp/nyuushi.htm 翻訳 英語 https://www.tnewfields.info/PeacePoems/indif.htm スペイン語 https://www.tnewfields.info/es/tibio.htm 中国語 https://www.tnewfields.info/zh/wentun.htm